小惑星探査機はやぶさ・はやぶさ2をご存知ですか?
世界初のミッションに挑み、
困難の連続を乗り越えて
地球帰還を目指す姿は、
多くの人に感動を与えました。
今回は
上坂浩光監督の「はやぶさ3部作」として、
長きにわたり順次公開され、
多くの人に愛された
「HYABUSA」・「HAYABUSA2」をめぐる
美しくも印象深いプラネタリウム映画作品と
その後に託された
はやぶさ2の拡張ミッションについて
まとめてご紹介いたします。
目次
第1部
2003年5月。日本は小惑星探査機「はやぶさ」を打ち上げた。
その使命は、小惑星に着陸し石を採取して地球に持ち帰ること。
この人類史上初の試みを達成するべく、「はやぶさ」は目的地「小惑星イトカワ」に向け長い旅にでた。
「はやぶさ」が持ち帰ろうとしている小惑星の石は、太陽系誕生の秘密をとくカギを握っている。
地球が、そして太陽系が誕生したのは46億年前。
だが、その時代の石は、地球には存在しない。一方、小惑星には太陽系誕生時の記録が残っていると考えられているためだ。20億kmの旅のすえ、2005年11月、「はやぶさ」はいよいよ「イトカワ」への着陸を敢行した。
しかし、未知の世界への着陸は思い通りにはいかない。
機体にもダメージの疑いが・・・しかし、このままで地球に帰るわけにはいかない。
態勢を立て直し、2度目の着陸に挑戦。成功したかに見えた直後、「はやぶさ」を最大の危機が襲う。
「はやぶさ」は2010年、無事に地球帰還を果たせるのか。数々の困難に立ち向かい、太陽系誕生の謎をさぐる「はやぶさ」の波乱と感動に満ちた探検の旅が、
臨場感あふれるCGでドームいっぱいに広がります。出典:http://www.live-net.co.jp/hayabusa-movie/story.html
小惑星探査機はやぶさ(HAYABUSA)
の打ち上げは、2003年5月9日に遡ります。
はやぶさはイオンエンジンの実証試験を行いながら
2005年夏にアポロ群の小惑星 (25143) イトカワに到達しました。
はやぶさはイトカワの表面を詳しく観測してサンプル採集を試みた後、
2010年6月13日22時51分、地球に帰還し
大気圏に再突入しました。
はやぶさの旅は、実に60億km。
地球重力圏外にある天体の固体表面への着陸・
サンプルリターン(小惑星の物質を地球に持ち帰る)に
世界で初めて成功しました。
多数のトラブルに見舞われながらも、
ミッションの遂行と地球を目指す
はやぶさの姿に、涙を誘われた人も
多々いたことが話題になりました。
第2部
はやぶさ2は、小惑星探査機はやぶさの後継機として
宇宙航空研究開発機構 (JAXA) で開発されました。
初号機が小惑星往復に初めて挑んだ「実験機」だったのに対し、
有機物や水のある小惑星を探査して
生命誕生の謎を解明するという
科学的成果を上げるための
初の「実用機」として開発された点に、特徴があります。
はやぶさ2は
2014年12月3日に種子島宇宙センター大型ロケット発射場から
H-IIAロケット26号機で打ち上げられました。
第3部
小惑星探査機「はやぶさ2」により行われた、小惑星リュウグウの探査の様子を記録したドキュメンタリー。2本のプラネタリウムフルドーム映像作品を再編集した映像によって構成され、2014年12月に地球を発った「はやぶさ2」の探査の過程を追う「HAYABUSA2~REBORN」と、2010年に地球に帰還した小惑星探査機「はやぶさ」の軌跡に迫った「HAYABUSA -BACK TO THE EARTH-」のエピソードを1作品としてまとめる。
2020年11月27日公開
何年もの歳月をかけて
はやぶさ2は、地球近傍小惑星
「リュウグウ」への着陸に成功。
搭載した回収カプセルは、
日本時間2020年12月6日に帰還し、
サンプルリターンにも成功しました。
その後、はやぶさ2本体は地球を離れ、
別の小惑星へ向かう拡張ミッションに移行しています。
なお、以下の予告編は、少し違った角度から
HAYABUSA2の魅力を提示しています。
本作は2014年12月3日に 小惑星リュウグウでの探査をするために打ち上げられた「はやぶさ2」が地球を旅立ってからいくつもの困難を乗り越え、小惑星リュウグウにてサンプルを採取し、地球に帰還するまでが描かれる。「はやぶさ2」は2020年12月6日に地球帰還予定。太陽系誕生の秘密に迫る、壮大な旅の軌跡を描き、驚きに満ちた小惑星探査の過程を緻密に再現した本作は第1作『HAYABUSA -BACK TO THE EARTH- 』からのエピソードと、新たに「はやぶさ2」の軌跡を追ったはやぶさミッションの10年の歩みを締め括る宇宙科学ロマン・ドキュメントの完結編。
今回解禁された予告編は、本編でもナレーションを務めているウルトラシリーズ6作目の『ウルトラマンタロウ』で主人公・東光太郎を演じた篠田三郎が「はやぶさ2」を息子にみたて語りかける父のような優しい口調でナレーションを務める。美しい壮大な宇宙を舞台に小惑星イトカワに行き帰還した「はやぶさ」の様子から始まり、「はやぶさ」の意思を継ぎ生まれ変わった「はやぶさ2」が小惑星リュウグウにタッチダウンする姿や、空に飛び立つシーン、そしてボロボロになった姿などが鮮やかな3D映像でよみがえった。遠い宇宙で過酷なミッションに挑んだ「はやぶさ2」は、いかにして困難なミッションに立ち向かったのか?「はやぶさ2」の知られざる真実を垣間見ることができる予告編となっている。
出典:http://www.cinema-life.net/p201015_hypv/
ちなみに、上記サイトには、
ナレーションを担当された篠田三郎さんのコメントが
付されています。
地球誕生の起源、宇宙の神秘、謎を探求し挑む小惑星探査機「はやぶさ」。気の遠くなるような小惑星までの何十億kmの旅。多くの科学者の希いを、想いを担って孤独にひたすらにミッションを遂行する「はやぶさ」。その「はやぶさ」を地上からコントロールし支えるJAXAの方達の英智に凡人はただただ感嘆するばかりです。そして上坂浩光監督は「はやぶさ」が生命を宿している生きもののようにCGを駆使して(緻密で素晴らしい映像です)私達を未知の世界へといざなってくれます。上坂監督の創る映像を見て私はいつも思います。私達が暮らす地球はなんて美しいのだろうと。何十億年もの生き死にを経て今の私達が在る事を。宇宙から与えられた一人一人の生命の尊さに改めて気付かされます。困難に遭っても決して諦めない、そして信じることの大切さを「はやぶさ」が私達に語りかけてくれるのです。
出典:http://www.cinema-life.net/p201015_hypv/
何年にもわたる長期Project
HAYABUSAとHAYABUSA2が辿った
気の遠くなるような旅路
どのような困難な局面においてもあきらめず
全人未踏のミッション達成に向けて尽力される
JAXAの方々の熱い想いに作品を通して触れ
ただただ敬意を感じる他ありませんでした。
以下は、JAXAが公開したはやぶさの成功基準です。
はやぶさ2プロジェクトは
設定した全ての目標を達成するという
驚異的な成果をおさめ、プロジェクトチームは
2022年6月末をもって解散しました。
————-
出典:https://www.astroarts.co.jp/article/hl/a/12596_hayabusa2
————-
探査機『はやぶさ2』は
2020年12月6日に地球に帰還しました。
帰還時に燃え尽きたはやぶさ初号機と異なり、
はやぶさ2は、小惑星リュウグウの試料を納めた
カプセルを地球に向けて分離した後、
「拡張ミッション」に入っています。
「拡張ミッション」とは
新たに2つの小惑星
「2001 CC21」「1998 KY26」を目指す長旅。
2022年7月5日時点で
「はやぶさ2」は地球から約2億1850万kmの位置にあり、
1つ目の目標天体2001 CC21に向かって、
6月28日からイオンエンジンの運転を開始しているとのことです。
はやぶさ2は、10月頃まで運転を続け、
その後2025年まではエンジンを使わない慣性飛行となり、
実に4年をかけて飛行した後、
2026年7月に2001 CC21への
フライバイ(接近通過)が行われる想定になっています。
その後、2027年・2028年に
地球でスイングバイをした後、
さらに3年の歳月を経て、
2031年7月に2つ目の目標天体1998 KY26に
ランデブーする壮大な行程が描かれています。
2022年6月29日にJAXAの記者説明会が行われ、
6月末をもって「はやぶさ2」プロジェクトは解散、
拡張ミッションへと引き継がれることが発表されました。
拡張ミッションの愛称は
「はやぶさ2♯」(はやぶさ2シャープ)。
「♯(SHARP)」は
“Small Hazardous Asteroid Reconnaissance Probe”の
頭文字と重ねられており、
地球に脅威のある小型小惑星の偵察探査機
の略語であると同時に、
拡張ミッションがリュウグウ探査に続く
チャレンジングなミッションとなることに加え、
「さらに一段上のミッションを目指す」という
ポジティブな意味も込められているのだとか。
今後約10年の歳月を経て
遂行される探査機はやぶさ2の
さらなるミッション遂行の過程を
期待とともに見守りたいと思います。
拡張ミッション「はやぶさ2♯」のロゴマークを発表する「はやぶさ2」プロジェクトの皆さん。左から、三桝裕也さん、吉川真さん、津田雄一さん、渡邊誠一郎さん(撮影:アストロアーツ)
出典:https://www.hayabusa2.jaxa.jp/topics/20220629_logo/
長文最後までお読みいただき、ありがとうございました。
どうぞ他の記事もごゆるりとお愉しみ下さい。